「渦流探傷試験」
電磁誘導技術の応用のひとつとして、渦流探傷試験がある。 これは、金属にある欠陥(キズ、割れなど)を
検出するもので、X線や超音波などによる探傷検査にはない特徴を持っている。
主な長所: 電線・棒などの長尺ものを高速で検査できる。
主な短所: 電気回路の性格上、外部からのノイズによる影響を受けやすい。
【金属板の場合】
前述のコイルL2の代わりに金属試験片を置くと磁界H1が試験片を貫くことになり、試験片の表面に「うず電流I2」が発生する。この「うず電流」I2は磁界H1に反発するように流れ、同様にH1に反発する磁界H2を発生する。
形状寸法、透磁率、導電率、距離および電流I1の周波数によってその試験片特有の「うず電流」を発生させるので、試験片に流れる「うず電流」を検知することにより欠陥を見つけることができる。
【金属棒、金属線の場合】
正常かつ同一金属材料によって接続されているコイルL1とL2との間には電圧差がないが、金属材料の欠陥部がいずれかのコイルを通過する時は、「うず電流」の作用によって両コイル間に電圧差が生じ、欠陥の存在がわかる。その電圧差を信号処理および増幅して欠陥データとして取り出す。
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