電磁誘導とその周辺
                                               §無断転載を禁ずる§
                                                小賀谷クリエイションズ
『電磁誘導の原理』

電線を巻いて作られたコイルの中を貫く磁束が時間に対して変化することが原因で現れる現象を電磁誘導といい、その際に発生する電力を
誘導起電力、流れる電流を誘導電流という。
これを数式に置き換えて法則としたのがファラデーの法則である。
「コイルに生じる誘導起電力は、コイルを貫く磁束の単位時間あたりの変化に比例する」

これだけでは解りにくいが、世の中では目に見えないところで各種のものに応用され、私たちの生活の中にも溶け込んでいる。主なものに、
電圧変換のためのトランスフォーマーや最近ではICカード(ICチップ)の読み書きなどにも使われている。
次項以下に、その応用例を記している。電磁誘導の原理を知る一助となれば幸いである。


『電磁誘導の応用』

電磁誘導の応用は多岐にわたるが、まずはワイヤレス充電器に使われている基本的な原理について触れてみる。
1.ワイヤレス充電器での応用
ここでのポイントは、ワイヤレスの文字にあるように、電気(電流)の受け渡しに電線またはそれに準ずる物理的結合をしないということである。
しかし、空間を電気が渡ってゆくのではなく、相手方に電気を起こさせるのである。この原理を図にすると下図のようになる。



左図に於いてコイルL1に高周波電流 I1を流すと磁界H1が発生する。そして、コイルL1と同方向に並んで設置されたコイルL2の中をその磁束が貫通すると、コイルL2に電力が発生する。 つまり、ある間隔を置いて隣接した二つのコイルの片方に電流が流れると、他方のコイルでも電流が発生するのである。これが電磁誘導の基本的な現象である。

コイルL1をワイヤレス充電器に、コイルL2を充電される携帯機器などにそれぞれ内蔵することで、両社の間で電力の供給が行なわれることになる。







「渦流探傷試験」

電磁誘導技術の応用のひとつとして、渦流探傷試験がある。 これは、金属にある欠陥(キズ、割れなど)を
検出するもので、X線や超音波などによる探傷検査にはない特徴を持っている。
   主な長所: 電線・棒などの長尺ものを高速で検査できる。
  主な短所: 電気回路の性格上、外部からのノイズによる影響を受けやすい。



【金属板の場合】
前述のコイルL2の代わりに金属試験片を置くと磁界H1が試験片を貫くことになり、試験片の表面に「うず電流I2」が発生する。この「うず電流」I2は磁界H1に反発するように流れ、同様にH1に反発する磁界H2を発生する。
形状寸法、透磁率、導電率、距離および電流I1の周波数によってその試験片特有の「うず電流」を発生させるので、試験片に流れる「うず電流」を検知することにより欠陥を見つけることができる。






【金属棒、金属線の場合】
正常かつ同一金属材料によって接続されているコイルL1とL2との間には電圧差がないが、金属材料の欠陥部がいずれかのコイルを通過する時は、「うず電流」の作用によって両コイル間に電圧差が生じ、欠陥の存在がわかる。その電圧差を信号処理および増幅して欠陥データとして取り出す。

             









「磁界と磁気」
電線に電気が流れると磁界が発生する。電線をコイル状にして中に鉄芯を入れると電磁石となる。この時にできる磁界は磁石がつくる磁界と
よく似ている。電磁誘導と磁界との関係のように、鉄と磁気との関係も複雑に存在する。















 

















 
 
加筆編集中